クリミヤの食事

クリミヤで(主に宿舎で)食べた食事の数々を紹介しましょう。

保養所のカフェテリア。なぜかCafeと呼ばれています。Cafeteriaのつもり?生花がテーブルごとに生けられているのが嬉しいです。食事は毎回律儀にコース制で最初にサラダ、そして主菜。Dinnerと呼ばれる昼食がロシア同様に一日のメインの食事で、主菜が二皿になります。サラダにはサラミなりフライなり何らかの肉・魚類が必ず添えられます。写真は揚げた白身魚の添えられたサラダ。海沿いなので魚が色々食べられるかと期待していたのですが、漁業は余り盛んではないようで、大した魚料理は口にできませんでした。

魚の添えられたサラダの写真をもう一つ。あっさりと酢に漬けたニシンのサラダですが、ニシンは刻んだネギに隠れて見えません。ニシンの酢漬けはスーパーで買うとどうしてもどぼどぼしていてまずいのですが、こういうところのものは自家製なのでしょうか?悪くありません。

ロシア料理だと思っていたボルシチですが、実はウクライナ料理なのだそうです。地球の歩き方にもWikipediaにもそのように書いてあります。幸い、滞在期間中に一回本場のボルシチを賞味することができました。我が家のボルシチの方が旨かったか!?

レバーハンバーグのズッキーニ素揚げ添え。私はレバーは嫌いではないのですが、レバーがある時にはビールも欲しいのです。しかしとてもビールを頼める雰囲気ではありませんで、紅茶を注文するのがやっとでした。

豚肉にそばの実を添えたもの。そばの実は昨秋ロシアに出かけた時も付け合わせとしてやはり何度か食べましたが、あの時はカメラ持ち込み禁止のため撮影できませんでした。肉汁などと絡めて食べるとおいしいものです。日本では麺にしたりそばがきにすることはあっても、そばの実をそのまま食べることはないですよね。

甘いお粥。これはご飯やパンの替わりなのでしょうか。それともデザートなのでしょうか?

滞在最終日に出たピラフ。少し芯を残したご飯にシャシュリク風の豚肉の刻んだものを乗せたもの。独特のスパイスが効いて結構旨いもので、期間中唯一お代わりしたいとまで思った保養所料理でした。

これもシャシュリクピラフ、あるいはシャシュリク炒飯と呼ぶべきでしょうか。これは保養所で出されたものではなく、会議中のピクニックの後の宴会で出されたもの。今回ウクライナで口にしたものの中で最も印象に残りました。カレーとはまた違う独特の香辛料が使われていて、できればこれを手に入れてウィーンに持ち帰りたいところでした。

宴会会場の一角で焼き上げられるシャシュリク。同席のロシア人はシャシュリクはグルジア起源だと話していました。以前からロシアを代表する料理の一つとは聞いてましたが、ようやく口にすることが叶いました。本来はラム肉を使うそうですが、ラム肉は人により好き嫌いがあるので、今回のように豚肉を使うこともあるそうです。

海岸沿いで見かけた揚げパンの屋台。”чебуреки”と張り紙があり、これを辞書で英語に翻訳するとpasty(イギリスの肉・野菜・ジャムなどを入れたパイ)とでてきます。会期中等かここに買い物に出かけましたが、必ずワイン?ビール?とこの陽気なお兄さんに聞かれました。パン自体は10 UAH (~ 1EUR)程度と安いものです。揚げたてっぽいので比較的安心して食べられました。

海岸沿いの「ミニマーケット」で入手したチェコビールとおつまみ。おつまみの袋にはкальма(カラマリ)と書かれていましたから、いかだとすぐに分かりました。ウィーンではお目にかからないものだから期待しましたが味はいまいち。最終日までに食べきれずウィーンに持ち帰るほどでもないと廃棄処分。

クリミヤへ

ロシアのDubnaにある旧共産圏諸国の研究所が主催する国際セミナーに参加しました。今年は第20回記念ということでDubnaではなくウクライナの黒海沿岸にある研究所の保養所で行われることになり、期せずして初ウクライナ訪問の機会となりました。

Air Svitの機体 (ボリスポリ空港にて)ウィーンからキエフのボリスポリ空港までAustrian Airlinesで行き、そこからAerosvitという聞いたこともない会社の便に乗り継いでクリミア半島のシンフェロポリまで空の旅。通しの切符なのに、成田同様、チェックインはキエフまでしかできず荷物も一旦引き取らねばなりません。

ロシアとは大違いのさっと通れる入国審査を通過し、荷物を引き取り、ターミナルFからBに移動。シャトルバスが1時間以上ないのでちと焦りましたが、実は駐車場ごしに10分とかからぬ徒歩移動でした。

ターミナルBの搭乗口からバスで連れられてきたのはDonbassaeroというこれまた聞いたことのない会社の機体。ウクライナのDonetskに本拠地があり、専ら他社便の運行を手がけている会社のようです。シンフェロポリまで1時間30分ほど。航空券に”meal”と印刷されているのに飲み物しか提供されない、という珍しい経験をしました。

シンフェロポリ空港の手荷物引取場

シンフェロポリ空港の到着口の構造は至って簡単。バスから降りるとそこが屋根付きの荷物引取場で、壁を挟んで反対側に止まったリヤカーからおじさんが荷物をターンテーブルで我々の方に回してくれます。

手荷物を待ちつつ、迎えは来ているかな、出口を覗きます。門の向こう側にいる大量の人だかりはタクシーの運転手?それとも宿引き?警官に見張られていました。

こんな田舎の空港からは想像のつかない立派な建物がありました。VIPなんとかと書いてあります。ヤルタに保養に来た共産党幹部のために建てられた専用ターミナルでしょうか?ターミナル前にはシンフェロポリに行くトロリーバスなどの乗り場があります。時刻表などは全く見あたりません。幸い私には迎えの車があり、それで空港からE105という道路を通りシンフェロポリの市街地は迂回して目的地のアルシュタ(Alshuta)へ向かいました。

ヤルタなど保養地の並ぶ半島沿岸部は内陸部とは岩の露出する山脈で隔てられています。のろのろと坂を登るヤルタ行きのトロリーバスをどんどん追い抜き、標高800 m弱の峠を越え、そこから一気に海岸へとぶどう畑を左右に見ながら下っていきます。坂を降りたところに目的地アルシュタがありました。ヤルタへ行くバスはそこから更に40 km弱海岸沿いを走るようです。

シンフェロポリから1時間と少しで宿泊地となる研究所の宿舎に着きました。その名はSpa Hotel “Dubna”。チップを渡したいがウクライナの通貨がないな、と困っていたのですが、運転手さん、さっさと居なくなってしまいました。

最近設置されたというエレベータから廊下に出ました。少したるんだビニールで上張りされた廊下を部屋に向かいます。

居間。まあ宿舎の宣伝のウェブページの写真通りといったところでしょうか。悪くはありません。

こちらが寝室。これもまあ悪くはありません。この脇にクローゼットを兼ねた冷蔵庫のある小部屋がありました。頼めば掃除は毎日してくれてタオル・シーツも毎日交換してくれます。おばさんはなかなか仕事が丁寧でした。チップを渡そうとしましたが、やはり受け取ってくれませんでした。この部屋で一泊3食付1190 UAH (約120 EUR)。部屋の水準からいってもウクライナの物価からいってもちょっと割高感がありますが、海辺だと思えばまあこんなものなんでしょうか。ちなみにロシア語のルームレート表でも同じ値段でした。

シーベリングのホイリゲ

平日気温も高く晴れた日の続いたウィーンでしたが、昨日土曜は雨交じりのあいにくの空模様、今日はまた綺麗に晴れましたが気温は低め。Marchfeldにアスパラガスを食べに出かけたいと思っていたのですが、屋外でアスパラを食べるにはちょっと肌寒いと思われ、まだ入ったことがない近所のシーベリング(Sievering)のホイリゲを試すことにしました。

39Aのバスを終点Sieveringで降りてAgnessgasseを少し入ったところにあるのがHaslinger。門をくぐると余り大きくない中庭がありましたが肌寒いので店の中に入りました。客がつぎつぎとGrüß Gottと声をかけてくれるのはちょっと珍しいです。ワインはまあ普通でしたが豚肉の中にクネーデルをつぶしたようなものを詰めて肉汁をかけた料理が美味しかったです。店の雰囲気はホイリゲというより地元の人が集まる喫茶店という感じでしょうか

店を出てAgnesgasseの坂を上りきったところを右へ入るとSalmansdorfer Höheという道で、WienのStadtwanderweg 2の入り口にあたります。左手にぶどう畑の斜面を見ながらこの尾根筋の道を少し歩くと眺めの良い場所に出ました。このままもう少し歩き続けたかったのですが、路面が悪く、乳母車が進みづらくなったのでSieveringのバス停へと引き返しました。

バスの終点からSieveringerstrasseを10分ほど上がっていったところに、以前から車で通りかかっては気になっていたKollerというホイリゲがあり立ち寄ってみました。ここも店内はホイリゲというより特色のないレストランという感じでしたが、桜の木のある庭が気にいりました。この庭の裏にはSpiesswegという小川の脇のBeethovengangのような気持ちの良い小径があり、帰りはここを歩いてSieveringのバス停に戻りました。ちなみにこの小径からUferwegというのを上がっても先ほどのStadtwanderweg 2に出られるようです。

ドナウ放水路の起点を訪ねる

ドナウ川左岸を遡ってウィーン市の境界を出たところにあるLangenzersdorfという小さな町を訪れました。

国道から離れてドナウ川の岸辺に行く途中にあった小さな池Seeschlachtというところに寄りました。池なら普通xxxseeと言いそうなものなのに、この池の名前はちょっと変です。帰宅して辞書をひいたら「海戦」という意味らしく、ますますよく分かりません。入場料4EUR。まだそこまで暑くもないのに水着を着た老若男女が芝生に寝そべったり水に入ったりしていました。

ドナウ放水路(Neue Donau)の起点に到着。ここは中之島(insel)まで橋がかかっていて、自転車を楽しむ人向けの案内板がありました。ちなみ下流側のNordbrückeから上流側のTullnまで30 km以上、車が通れる架橋がないようです。計画もないではないが、橋ができると右岸のKlosterneuburgのホイリゲの客が値段の安い左岸のホイリゲに移ってしまうという反対意見があって橋ができない、という本当のようなうそのような話を聞きました。

右側(上流側)のドナウ本流がせき止められて左側(下流側)の放水路との間にかなりの高低差があります。放水路は年に数回本流の水量が増した時以外は水が流れていないようです。従って放水路の水面はここから20 km下流で本流と放水路が合流する水面の高さに一致しているはずです。一見なだらかに見えるドナウ川に20 kmでこれだけの高低差が生じるというのが意外です。

この放水路の起点から高速道路を挟んだ反対側にMarchfeldkanalという運河があることが案内板から分かります。Marchfeldはウィーンの東側、スロバキアとの国境に近い辺りですが、帰宅してgoogle mapで調べところでは、今でも運河がSlovakia国境すぐ近くのドナウ川まで通じていることが分かりました。

ノイシュティフト・アム・ヴァルデのホイリゲ

5月1日メーデーはオーストリアでは祝日。引き続き好天に恵まれたので、久々にNeustift am Walde(ノイシュティフト・アム・ヴァルデ)のホイリゲに出かけることにしました。以前2度ほど行ったWolffは料理を旨くてなかなか良かったのですが、今回は2011年19区ワイン品評会(Ergebnisse der bezirksweinverkostung)というまあ極めてローカルな品評会の8つの部門のうちGrüner Veltliner部門、Chardonnay部門、Sauvignon Blanc部門で見事1位を獲得したHuberというホイリゲに出かけました。Huberはチェーンでウィーンに何軒も店を持っていますが、そのうちNeustift am Waldeにある店がメーデーのお祝いの場所です。

1時間に1本自宅近くからNeustfit am Walde近くのAgnesgasseまで行く39Aのバスに乗り遅れ、SieveringからAgnesgasseを経てNeustift am Waldeまで20分ほどちょっとした峠道を歩きました。峠を越えると南斜面にぶどう畑が広がります。この畑を眺めながらワインを楽しめるのが、この地域のホイリゲの売りの一つかも知れません。

Agnesgasseから緩やかな通りを10分ほど歩いてHuberに到着。建物の一部となっている門をくぐると期待通り、ホイリゲテーブルの向こうにぶどう畑と青空がひろがっていました。友人夫婦との食事を終えようか、というところでJPOの若手3人(ILO+UNIDO+UNODC)のご一行と偶然に遭遇。招かれもしないのにそちらの席に移動して、日が傾くまで仲間に入れていただきました。